このコーナーはたいした問題でもない、屁みたいな問題について私の生半可な知識をひけらかしたり、スキだらけの理論で論じたりするコーナーです。したがってその内容は疑わしいので、「それはおかしい!」と思ったじっくり調べてみてください。 でも、たまには役に立つ情報があるかも。 ご意見ご感想は掲示板までどうぞ。 |
「ごじゅうきゅう」のレポートは誤りか? アンテナの領空侵犯 コンテストで移動表記は必要か サインの無いQSLカードは無効なのか? 他人のリグを借りても合法 落成検査の不思議 移動局を二つ持つ方法 |
最近交信した方のWEBページを見ていたら、「『ごじゅうきゅう』は誤りです。『ごうきゅう』が正しいです」と書いてありました。それを言うなら「ごーきゅう」でもなくて「ご、きゅう」だろうと思うのだけれど、それはこの際置いておきましょう。 この話を聞くといつも思うのは、あれはレポートが「ごじゅうきゅう」だと思ってるわけじゃなく、「ご、きゅう」であることを伝えるために「ごじゅうきゅう」と表現しているだけでしょ、ということ。 そう考えれば、言い回しの好き嫌いはあったとしても、「それは間違いだ!」と言える話じゃないだろうと思うのです。 それよりもJを「ジュリエイト」という方に私は目が向きます。彼らはシェークスピアのあの名作を「ロミオとジュリエイト」と発音するのだろうかと、ちょっと興味があるのです。 |
アンテナの先っぽが回転したときに隣の家の庭の上を通過することが法的にどうなのか!! という話が今回の話題です。 実際の話としては2例、ハムの方に経験談を聞きました。その経験談の1つは隣家との揉め事。もう1つは道路にはみ出す問題です。 前者のケースでは、隣家の住人が「領空侵犯(笑)」だといって役所に苦情を申し出たために役所の職員が来たそうです。両家が立ち会う中、役所の方はこう言ったそうです。 「あの高さまでは土地の所有権は及ばないので違法ではありません。でも、お隣同士なのだから、話し合って取り決めをしてはどうでしょうか?」 良いアドバイスですよね。法律を使う前にご近所同士の礼儀というものがありますから、無断で隣に飛び出すのはよろしくないでしょう。ただ、意外なことに即「違法だ」ということにはならないようです。 さて、後者の道路にはみ出すケースです。これはご丁寧に「道路にはみ出している。違反じゃないのか!」とまったくその近所でもない人からの訴えで役所が見に来たという話です。 この時の役所の人の言葉は「合法です、とはいわないけれど、違法じゃないんです。道路は市のものですが、市としては撤去を求める事由はありません」だったそうです。アンテナの持ち主がとっちめられるのを楽しみに見に来ていたチクリ人はガッカリして帰って行ったそうです。 このときの説明では、道路として管理が必要な高さを超えた高さのことなので違法ではない、ということだったようです。 どの高さだとそうなるのかというと、それはその場その場の状況によるみたいです。 ご興味のある方は調べてみてください。 |
ここ数年、いろいろなコンテストに参加していますが、その多くは移動運用です。効率的にQSOを成立させるため、最近は国内コンテストでも挨拶の「GM」や打電し終わったあとの「BK」などをなくしてDXコンテスト調にする試みをしてみました。 しかし、その前に、 私のコールサインはもともとCWでは長点が多くて打電に時間がかかる上、/1まで付けたら時間がかかるのなんの・・・・・・。そこで、ふと疑問に思ったのは「そもそも/1ってつけないとNGなのか?」ということです。 法的な話をすれば、1955年2月9日に当時の郵政省から郵波陸第261号という通達がでました。その内容は、陸上移動は/1など、海上移動は/MM、上空移動は/AMと送出するように規定するものです。これが「ポータブルなんとか」を固定化させました。ところがこの通達はすでに効力を失い、その後当局はこれを継続しようとはしませんでした。現在総通に/1等の必要性を質問すると、いままでとは打って変わって、/1などを付加することを勧めない姿勢だそうです。 そうなると今度は「コンテストのルールではどうなのか」ということになるのですが、JARLアワード委員会に問い合わせたところでは、ポータブルなんとかをつけなくてはいけないことにはなっていないことがわかりました。お返事を要約すると次の通りです。 ・/1などは付けなくても有効 ・ただし、フィールドデーコンテストではフィールドステーションとして扱わない ・他エリアに移動する場合は混乱するので付加することを強く勧める 確かに別エリアでは余計ややこしくなりますね。また、移動運用であることをことさら表明したい場合は自由につければよいことでしょう。 さて、実際のコンテストで/1をつけずに参加してみました。その結果、ちょっとばかり問題が発生しました。それは、コンテストの常連さんというのは結構「この人のQTHはここ!」というのが頭に入っているらしく、有名でもない私のことでさえ、「あれ、JO1QNOって我孫子じゃなかったっけ? ナンバー聞き間違えたのかな?」と困惑したというのです。実際、そういう方が数名確認できたので、運用上問題がいささかなりともあるようです。 こうした問題に対処するため今では、結局/1をつけていますw |
お堅い話っぽいですが、まあ気楽にいきましょう。目じりを吊り上げるほどの話じゃありません(^・^)。 サインの無いQSLカードは無効だ!という話をたまに聞きます。私もアマチュア無線の解説本で、そんな記事を読んだことがあり、ずっとそれを信じていました。わたしの友人などはこの情報を得て、サインのないQSLを発行した人に強気の姿勢で、「このカードは無効です! 有効なカードを再発行してください!」とつき返して相手と大喧嘩になりました。 この「無効だ」を書いている方の記事を見ると概ね以下の2種類です。 1種類は、サインのないカードは代表的なアワードなどに使えないと信じて疑っていない方。これは単なる勘違いです。 もう1種類は、「無効」の意味が不明なもの。無効とか有効というのは「何に対して」という対象がなければ成り立たない話のはずですが、それがない。そうなるとこれは「無効だ」ではなく「俺は嫌い」、「この俺様は認めない」という基準が俺様な場合か、「作法にかなってない」という意見ということになります。 お作法として「サインしたほうがいいですよ」、というのなら私も賛成です。 ちなみに代表的なアワードについての有効性は次の通りです。 1.JCCをはじめ、JARL発行のアワードにはサインのないQSLカードは使用できる。 このことはJARLのアワード委員会のQ&Aを見るとわかります。 2.DXCCをはじめ、ARRL発行のアワードにはサインのないQSLカードは使用できる。 私はかつてDXCCの申請準備中にサインのないカードを発見し、念のためにARRLのアワードマネージャーであるNC1Lにそのことをメールで質問したことがあります。彼の回答はやはり「サインは不要」とのことでした。返答の原文は下にご紹介しておきます。DXCCをなんども申請している友人には「サインがなくてもパスしてる」とは聞いていたものの、一応確認してみた次第です。 使えないと思っていたカードが、使えるかも知れませんね! ***************************************************************************************** Hi Mr Kuramochi: Signature is not required on QSL cards 73 Bill Moore NC1L Awards Branch Manager ARRL - The national association for Amateur Radio 225 Main Street Newington, CT 06111 Telephone: (860) 594 0234 Fax: (860) 594-0346 email: dxcc@arrl.org DXCC Web Site: www.arrl.org/awards/dxcc Blog: http://www.arrl.org/blog/DXCC%20Dialog ***************************************************************************************** 要件だけの短い返事でしたが、簡潔に「QSLに署名は求めていない」と回答しています。 |
「今日、友人から借りてきたリグなんですがテストしています」 とQSOの最中に言ったところ、「それは違法だ」と指摘を受けました。 ところがこれは合法なんです。 昔ならともかく技適というものが出来てからは事情が変わりました。指定事項に変更のない、つまりバンドやモード、最高出力に変更がない無線設備の変更をすべて技適機種で行う場合は、申請の必要がなくなったからです。 「うそこけ」 といわれそうですが、本当です。必要なのは「届」です。「申請」は許可を待たなくてはなりませんが、「届」は事後でよいのです。 ところがこの話には落とし穴があります。それは、移動局は免許証票を貼らなくてはならないという別の問題があるのです。それは届けを出してからしばらく待たないと送られてはこないので、届けを出して免許証票が手元に送られてくるまで運用できないということになるからです。 でも固定局なら大丈夫。固定局をお持ちの方は、遠慮なくご友人のリグを借りてテスト運用してみましょう。 |
200Wを超える局を申請する際、最近厳しくなっているのが「防護指針」です。たとえば高性能な多エレメントの指向性アンテナを使うと、特定の方向、角度に強く電波が飛び、それ以外には弱くなります。 一軒家ばかりの住宅地でタワーを建てている局がこれを使うと水平方向の誰もいない空中に対して強い電波を出し、道路や隣家の庭などの角度には電波が弱くなるので防護指針をパスしやすくなります。 ところが目の前にマンションがあると、アンテナと同じ高さの住民に対して強烈な電波を送り込むことになりますから防護指針でアウトになり、この場合は無指向性のアンテナだとパスしたりします。このように、落成検査ではアンテナは合否をわける大きなファクターとなっています。 ところが、アンテナは落成検査後に交換してもただ「届」を出すだけで良いのです。検査の時はあれだけ計算書やら実地検査をしたくせに、交換はフリーパス。防護指針の計算書を再度提出することなど求められません。 次ぎにリグとリニアです。これは検査対象のものを使用します。ところがこれもあとで交換できます。以前はリニアの交換のみ検査無しで行えたのですが、いまでは送信機も検査無しで交換できるようになりました。 さて、これらは検査がナンセンスなのか、それとも検査後の対応がおかしいのか。いったいどちらでしょうね。 |
どういうわけかアマチュア無線家の中にはアマチュア無線局は固定局と移動局を1局ずつしか持つことができないと思い込んでいる人がいます。あるいは、複数持つことができるけれど同じエリアに2局は持てないと思っている人もいます。 しかし、実際には異なるエリアに複数の固定局、移動局、同じエリアに複数の固定局、移動局をもっているひとがいます。 実際に申請してみると、固定局についてはすべてすんなり免許してくれます。たとえば私の友人は東京の実家に50Wの移動局、今住んでいる福島に1kWの固定局があり、さらに私の家に1kWの固定局を開設していますが、私の家に彼の2つ目の固定局を開局する際はただ申請をしただけで特別な小細工はしていません。 ところが、移動局が2つとなると総通はその必要性を確認してくるようです。 私の1エリアコールを持つ知り合いが転勤で2エリアに越すこととなった時、2エリアにも移動局を開設しようとしましたが、総通から電話があって次のような趣旨のことを言われたそうです。 「今の移動局のまま2エリアで使ってほしい。呼び出し符号のエリア番号は発行した総通によってちうがうがそれ以外の意味はない。したがって、/2などをつけて運用する義務も必要もないので、2エリアに越しても1エリアのコールのまま使用すればよい」 そう総通は言いますが、実際に/2をつけずに運用していれば「/2をつけろよ!」と周りのハムに言われますので総通がいうようにエリア番号関係なしに運用なんてできませんよね。 ちなみに彼は1エリアに今ある移動局の常置場所を変更して固定局は1エリア、移動局は2エリアにする場合について質問したそうですが、それについても総通は受付を拒否する構えだったそうです。つまり、2つの移動局というよりも2つのコールを出したくないという感じです。 結局彼は2エリアに移動局を新たに開局しました。それがなぜできたのか。それは1200MHzの設備を入れたためです。1200MHzの場合、常置場所でないと10W出せませんので、運用場所=常置場所にせざるを得ないからです。 1エリアに2つの移動局を持っている方がいますが、おそらく彼はどちらの常置場所でも1200MHzを10Wで運用したかったのでしょう。 |